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    野生動物と人類、共存の道

    2016.06.14 Tuesday



    東北で起こったクマによる殺人事件、犯人はやはり人喰いグマだったようです。恐れていたことが現実となりました。
    北海道に生息しているヒグマは言わずと知れた真性の人喰いグマですが、本州のツキノワグマは防衛のために危害を加えることはあっても人喰いまではしないと考えられていました。
    ところが今回ツキノワグマが人喰いグマとなったようです。

    最初はヒグマ犯人説もありました。近くのクマ牧場から脱走したヒグマが犯人か、あるいはそれが繁殖したりツキノワグマとハイブリッドを形成してるんじゃないかとの憶測まであったようです。
    生物学科出身の私もこれだけ人喰いが多発してるのであれば犯人はヒグマじゃないかと思ってました。

    ところがどっこい、犯人は紛れもなくツキノワグマのようです。
    なぜツキノワグマが人喰いに手を染めたのか、法医学的な分析が待たれます。

    ・・・

    一般にツキノワグマは臆病なため鈴とかラジカセを鳴らしておけば相手の方から避けてくれると言われてますが、人喰いグマには通用せずむしろ餌だから襲ってくださいという意味に取られるそうです。
    人喰いグマが殲滅されるまでその場所に近寄ってはいけませんし、愛誤どもがギャーギャー騒いで殲滅できないという話になれば福島のように住人が避難する他ありません。それをするとクマの生息域がますます広がって街中で人喰いが起こることになるでしょうが。

    ツキノワグマの世代時間は4年程度です。生まれてから子どもを産むまで4年という意味で、大きい図体の割にはかなり短い印象です。
    人間はどんなに短くても16年、近年の晩婚化で平均世代時間が30年を超えてきてるのとは対照的です。
    これは人間よりもクマのほうが素早く環境に適応して進化できることを示しており、10年や20年でクマにまつわる常識は塗り替わってしまうのです。
    もし人喰いが常態化すればあっという間に日本中に広まってしまうでしょう。

    ・・・

    Twitterとか見てるとクマの生息域を侵した人間が悪いと叫んでる愛誤がいると思うと、クマなんか絶滅させちまえという極論も見られます。
    立場によりそれぞれ意見があってどれが正しいというのはないと思いますので私はあえてどちらの味方もしません。それが我々生物学科出身者が取るべき立場だと思ってます。

    その上で私なりにクマやその他野生動物と人類が折り合いをつけて共存共栄する案を考えてみました。
    それは世代時間が短くて進化しやすいという性質を逆に利用して武器を奪ったり凶暴な性格を穏やかな性格に変えてしまうことです。

    クマが人間に危害を加えられるのは武器となる蹄や牙があるからで、それを抜いてやれば危険度はかなり少なくなります。
    1頭ずつ捕まえて抜く?そんなことしません。蹄や牙を形成する遺伝子をノックアウトして生まれつき生えてこないようにしてしまいます。
    それは子孫にも遺伝するので野生の個体を少しずつ置き換えていけばいいですし、カルタヘナ法に引っかかるため現実的には難しいですが優性遺伝するようにデザインしたアンチセンス遺伝子をぶち込んでやればより効率的な置き換えが可能になります。
    ただアンチセンスは法律の問題があるので現実的に可能なのは放射線による遺伝子破壊でしょう。

    いくら蹄がなくてもクマパンチを食らうとやはり無事では済みません。それにクマは案外賢いですから今度は木の切れ端などを武器として使いはじめるかもしれません。
    というわけで性格も変えてやる必要があります。

    動物の性格についてはおもしろい実験があり、ロシアのドミトリ・ベリャーエフ博士がキツネをたくさん集めて人懐っこいのをどんどん掛けあわせていった結果たった6世代でイヌのように人に懐くようになったのです。
    クマの場合は暴れさえしなければ別に懐かなくていいのでもうちょっとハードルは低いように思います。
    これもカルタヘナ法の縛りがなければ古くから飼いならされてきたイヌの遺伝子をぶち込むのが確実で手っ取り早いのですが、現実的には動物園やクマ牧場でおとなしい個体を交配させていくというやり方になります。

    いずれも現代の科学技術で十分可能な方法で、コストは掛かりますが遠回りすればカルタヘナ法にも抵触しません。
    放射線による遺伝子破壊は農産分野でごく普通に行われていますし、おとなしい個体を交配させるのはブリーダーがやってます。
    この方法はクマだけでなくサルやイノシシにも適用でき、おそらく今後人類が野生動物と平和共存できる唯一の切り札ではないかと思います。

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