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ヘリウムが地球と生命を生んだ(1)

2014.06.21 Saturday

以前ヘリウムがとてもおもしろい元素であるということはヘリウムという不思議な元素で述べたとおりです。

ところがそれらはヘリウムのおもしろさのごく一部に過ぎません。
知れば知るほど親しみがわくヘリウムという元素の秘密に今回も迫っていくことにします。

・・・



これは太陽系の元素存在度で、横軸は原子番号(陽子数)、縦軸はケイ素原子を106個とした場合の相対的な原子数です。
片対数グラフですので、目盛りが一つ上に上がると存在度が10倍になります。

このグラフを見ていくつか気づくことはないでしょうか。
まず最初に目につくのは左端の水素が一番多く、右に行くほど少なくなるという傾向があることです。
ところがそれは直線的ではなくギザギザしていることがわかります。

そして次に気づくのは鉄が突出して多いこと、リチウム、ベリリウム、ホウ素が原子番号の割に極端に少ないことでしょう。

宇宙の元素がなぜこのような分布を示すのか、そのカギを握るのが実はヘリウムなのです。

・・・



この恐ろしい風景は60億年後の地球です。
太陽は現在の100倍以上に膨張し、明るさは何千倍にもなって地球の生命と文明の痕跡を完全に焼きつくしてしまいます。

なぜこのようなことが起こるのか。それは太陽の燃料は有限であるからに他なりません。

太陽の燃料は水素で、これがヘリウムになる時に放出されるエネルギーを利用しています。

41H → 4He

このときに質量の0.7%が欠損し、それが放射のエネルギーに化けます。
これはアインシュタインの有名な式、E=mc2で説明できます。
太陽は毎秒6億トンの水素を消費しながら400万トンの質量をエネルギーに変えてます。

太陽ほどの質量の星ではこの反応は100億年程度持続し、太陽は誕生から46億年経ってますのであと50~60億年はこのまま安定して燃え続けます。
この間、太陽の中心核に燃えカスであるヘリウムが蓄積して燃焼領域が徐々に外側に移動していきます。
これが限界に達すると急激に膨張して赤くて巨大な赤色巨星になります。

赤色巨星の中心では不活性な核が収縮して高温になり、やがてヘリウムが燃え始めます。

34He → 12C

こうして生命になくてはならない炭素がヘリウムを材料に作られるのです。
続いて次の反応で酸素が作られます。

12C + 4He → 16O

これらの反応は水素をヘリウムに変換する反応と比べて得られるエネルギーが少ないため長続きしません。
太陽程度の星では緩やかにガスを吹き出して惑星状星雲になり、核は白色矮星という小さな星になって冷えていきます。



・・・

では太陽よりもずっと重い(10倍以上)星ではどうなるでしょうか。
ヘリウムが減ってくると酸素や炭素が燃え始めてどんどん重い元素を作っていきます。

炭素燃焼
212C → 24Mg

酸素燃焼
216O → 32S
216O → 31P + 1H

アルファ反応
16O + 4He → 20Ne
20Ne + 4He → 24Mg
24Mg + 4He → 28Si
28Si + 4He → 32S
32S + 4He → 36Ar
36Ar + 4He → 40Ca
40Ca + 4He → 44Ti
44Ti + 4He → 48Cr
48Cr + 4He → 52Fe
52Fe + 4He → 56Ni

56Niのベータ崩壊
56Ni → 56Fe + e+

これらの反応は重い赤色巨星の中で起こり、主な反応生成物は原子番号が偶数で質量数が4の倍数の元素です。
これらはヘリウムから作られるためアルファ元素と呼ばれていて地球にはたくさんあります。
我々にとってなくてはならない炭素や酸素をはじめ、岩石の主成分でありIT機器の材料でもあるケイ素、コンクリートの成分であるカルシウム、そして文明を支える重要な金属である鉄などです。
ヘリウムから作られるアルファ元素は地球の質量の大部分を占めるため、まさにヘリウムが地球と生命を生んだと言えるのです。

ところで鉄が突出して多い理由は鉄原子核の安定性が高く、アルファ反応がこれ以上進まないためです。
では鉄よりも原子番号の大きい貴金属やウランはどのようにして作られたのでしょうか。
これは次回のお楽しみです。

コメント

Posted by: EMAIL URL2014/06/22 07:17 PM
お前アホか
Posted by: 河原心平 EMAIL URL2014/06/22 07:33 PM
アホですが何か?
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