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    格安=危険、は技術革新を無視した暴論

    2016.01.18 Monday

    年明け早々多くの若者が乗ったバスが事故を起こし、未来ある若者の命が奪われるというあってはならないことが起こりました。
    私も夜行高速バスをよく利用するので他人ごとではありません。

    新幹線がバス並みに安ければ迷わず新幹線を選びます。まあそれはありえないですが、夜行の特急列車があれば少々高くてもバスの代わりになります。

    しかし現実に新幹線はめちゃくちゃ高いし、それより安い飛行機も空港までの交通費を含めると新幹線並みに高く付いてしまうのでバス以外の選択肢がないのです。

    ・・・

    ところで事故の原因が「格安」だからという論調をあちこちで目にしますが、本当にそうなのでしょうか。
    特に次のような見解をよく見かけます。

    (1) バスが安いのは人件費や整備費をケチってるから
    (2) そんなバスに乗って事故に巻き込まれるのは自己責任だ
    (3) 業界が過当競争なのが原因なのだから高いバス会社を選べ


    これを要約すると安全は金で買えということでしょうか。
    しかし、この見解は技術革新を全く考慮してません。

    人類の歴史は技術革新の歴史で、原始時代からずっと実質的なデフレが続いてきました。
    貨幣価値が下がるという数字の上でのインフレがあったとしても同じ労働でより良いものが手に入るようになればそれは実質的なデフレです。
    例えば平安時代に砂糖1kgは丸一日働いても買えなかったと考えられますが、今では場合によりますが10分働いた賃金で買うことも可能です。

    これは砂糖を製造したり輸送する技術が数々のイノベーションを経て進化してきたからであり、それは砂糖に限らずインターネットもそうですし、もちろんバスも例外ではありません。
    格安バスは低燃費の車種を導入したり、中古でも高性能の部品に取り替えたり、またIT化による効率的な運行など多くのイノベーションの賜物なのです。
    よく言われてる整備費や人件費を削ったところで大して安くなりません。

    格安が事故の原因だと主張してる人に聞いてみたいのですが、格安バスがなかった時代は事故がなかったのでしょうか。
    また、事故の原因が人件費や整備費をケチってるところにあるとすればガソリンや軽油が高かった頃の事故率が統計的有意に高くなければおかしいでしょう。
    しかし歴史的な原油安でガソリンも安い時に事故が起こりましたね。ガソリン代が安くなっても運賃はあまり変わらないのでバス会社はその分しっかり儲けていて、整備や人件費を削らなければならないことはないはずです。

    ・・・

    結論として今回の事故の原因は格安だからではないと考えられます。
    では原因は何か。それは企業体質しいては業界の体質でしょう。
    経路を勝手に変更したりといったおかしなことがまかり通ってることが問題であり、これは運賃関係ありません。
    改善するには国交省が監査を頻繁に送り込んで監視を強化するしかありません。例えば監査と気づかれないように客に混ざって運転席の真後ろの席に座って運転を見張るとか。

    ただ、そこまでしてもリスクはゼロになりません。
    バスは決められた軌道しか走らない新幹線や障害物のない空を飛ぶ飛行機と違って普通の道を走りますし、原理や構造の違いから必然的にリスクが高くなってしまいます。
    そういう意味ではやはりお金を出せるなら新幹線や飛行機を利用したほうが安全と言えます。
    しかし東京〜大阪が1万円の高速バスと3000円の高速バスを比較するとリスクは全く変わらないでしょう。

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