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電子の姿

2016.09.03 Saturday

もう9月です。早いですね。
台風10号、アジア名ライオンロックが関東近海を通過して都内でも大雨に見舞われました。
あの台風は動きからして明らかにおかしくて異質でした。
台風の常識など人間が経験則で作ったものに過ぎず、それに従わない台風もあるので天気予報を過信せずに日頃から防災意識を持っておくことの重要性を改めて認識させられます。
犠牲になられた方のご冥福ならびに、破壊された生活や経済の一刻も早い復興をお祈りします。

さて、台風には「ここから台風本体」という明確な境界線がありません。暴風域や強風域が決められているものの、それは便宜的に決めたものなので本当に風速を元に境界を決めようとすると丸鋸の刃のようないびつな形になります。
天気図に出ている真ん丸な台風の姿から明らかに距離があるのに豪雨や竜巻に見舞われる場合があることからもそれはわかります。

・・・

台風と同じように境界がよくわからないものに原子があります。
原子は地球上の物質全ての最小単位であり、原子を理解することは相手が人間だろうが風船だろうが全ての物事を理解する上での基本となります。
場所を地球に限定すればその性質を決めるのは原子核を取り巻く電子で、それが地球で起こる全ての事象を支配していると言えます。なお、太陽の中心核や中性子星、ブラックホールに関してはそれが当てはまりません。

電子の解釈は次の3つが知られています。

(1) 太陽を公転する惑星のように原子核の周囲を粒子状の電子が連続的な軌道を描いて公転している
(2) 地球を取り巻く雲のようにボヤーっと全体に分布していてつかみどころがない
(3) 粒子状ではあるが波動関数に従って分布し、位置と時間を同時に決めることができない

(1)が最も古典的な解釈で、(3)が近代的な解釈、(2)は両者の中間的なものです。どれが正しくてどれが間違っているという話ではありません。
高校時代に(1)の解釈で説明した先生に食って掛かったことがありますが、今思えばその行動は適切じゃなかったと思ってます。

(1)は長岡半太郎が提唱したモデルで、理解のしやすさから現在でも中学や高校の化学ではこれを教えています。
ただこのモデルには問題があり、引力と遠心力の釣り合いということにしてるため電子が徐々に運動エネルギーを失って核に落下してしまいます。これを解決すべくボーアやド・ブロイがこのモデルに修正を加え、電子の存在する場所は決められているというモデルを構築しました。

ド・ブロイが提唱した物質波の概念を電子に当てはめたのが(2)のモデルです。
物質には粒子としての性質と同時に波動としての性質を持ち合わせているとされており、密閉されているはずの風船のガスが抜けていったり感情に波があったりというのも物質が、特に電子が粒子と波動の二面性を持つためです。
スマートフォン等に搭載されているフラッシュメモリもそれを応用しています。

ド・ブロイの物質波をさらに発展させたのがシュレディンガーです。
シュレディンガーは物質波を定式化し、シュレディンガー方程式を構築しました。
シュレディンガー方程式を解くと波動関数が得られます。波動関数は電子の軌道(存在確率の高い領域)そのものの形をしています。
ただこの波動関数には位置と時間を同時に決められないという厄介な特性があるため確率でしか論じることができないのです。

・・・

(3)を理解するには大学以上の数学の知識が必要となるため普通は(2)の解釈で困ることはありません。
電子が粒子と波動の二面性を持つおかげで地球は生命に満ち溢れ、人類は文明の恩恵に授かることができたのです。

コメント

Posted by: urin EMAIL URL2016/09/03 03:56 PM
この問題はある意味で非常に難しい
(1)は初等教育としては分かりやすいのでこれでもよいという立場もいれば
(1)を教えるのは詐欺みたいなものじゃないかという立場もいるからだ
Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2016/09/04 08:50 AM
> urinさん

ベンゼン環の書き方でも同じことが言えますね。
今はわかりやすくするためにこう説明してるけど厳密にはちょっと違うよ、と一言添える必要はあると思います。
Posted by: urin EMAIL URL2016/09/04 02:11 PM
全然ちょっとではないと思うが
Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2016/09/04 07:19 PM
初等教育ではそれでいいと思いますよ。
子どもにはサンタクロースが存在することにしておくのと同じです。
小中学生のうちは人を殺してはいけない理由や地震のメカニズムを根源的に理解する必要はありませんからね。
物事の根源を探るべき年齢に達した時に原子について学び直せばいいのです。
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