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    因果関係の大半は信頼に値しない

    2016.10.11 Tuesday

    ネタが古い上にシモネタですが、こんな調査結果があります。

    ウンコ漏らしたことあるを年収別に調査!悲しむ必要はない? – しらべぇ | 気になるアレを大調査ニュース!

    このタイトルからして内容からしてもう笑うしかありません。
    これを見て「金持ちになりたいから今日からウンコ漏らそう」なんて思う人はいないでしょう。
    知っての通り漏らすことと年収には何の関係もなく、記事に書かれている忙しくてトイレに行けないなんて解釈は安易なこじつけに過ぎません。

    年収とおもらしに見かけ上の相関関係があるのは年齢で説明がつきます。つまり、漏らした経験がない=若い=年収が低い、ということです。実に単純ですね。

    ・・・

    さて、巷にはこんなレベルの怪しげなこじつけ理論が無数に存在します。

    例えば寝過ぎたら早死するという話がそうです。睡眠時間が長いほど寿命が短い、だから寝過ぎたら早死するよ、といういかにもなこじつけが10年前から今日に至るまで跋扈し続けてるのだから困ったものですね。
    もちろん寝過ぎで早死しません。人工の異物である睡眠薬を大量に飲んだというなら話は別ですが、体には安全装置が備わっているので危険なほど寝続ける前に目が覚めるようになってます。これは睡眠という生理活動が始まって以来何億年もかけて自然選択により洗練されてきたシステムであり、人工物であるジェット機や原子炉なんかよりも遥かに信頼性の高いものであります。
    寝過ぎたら早死するという話は、寿命に影響が出るほど寝ても安全装置が働かないと言ってるのと同じです。そんなWindowsもビックリな初歩的欠陥が何億年もの自然選択をくぐり抜けられるわけないでしょう。

    睡眠時間と寿命に相関関係があるのも話は単純で、ストレスや食生活、運動が両方に影響を与えているだけです。
    ストレスが多ければ睡眠時間が伸びる、これこそ何億年もかけて作り上げられてきた安全装置ですよ。

    このように相関関係があるのに因果関係がない状態のことを擬似相関と言います。


    年収とおもらし、睡眠時間と寿命はデータを出してるだけまだマシな方で、世の中にはろくにデータ解析もせずアニメや漫画と反社会性との間に因果関係があると吹聴している輩がいます。以前の都知事にもそんな人がいたような気がしますが。
    因果関係があるからアニメや漫画を規制しようと言うのであれば因果関係の立証責任があります。立証責任とはどういうことか、それは「Aさんは犯罪を起こした証拠はないが、起こしていない証拠もないので逮捕する」という理屈がまかり通ってはいけないということです。

    アニメや漫画と反社会性の因果関係を立証しようと思えば多数の人間をモルモット扱いして生まれた時からアニメ漫画を遮断したり、逆に偏ったジャンルのアニメと漫画ばかり見せるような人権に著しく反する実験をしなければなりません。
    当然ながらこんな実験ができるわけないので因果関係の立証は現実的に不可能です。立証が不可能である以上、因果関係は存在しないものと考えなければなりません。つまり表現規制が必要かどうか議論すること自体が全くの無駄であり、Twitter上で活動してるアマチュア評論家ならともかくこれを政治家がやったとすれば税金を使って不必要な井戸端会議をしているということです。

    ちなみにこれは逆の立場で攻撃的や露骨な性表現のアニメや漫画が犯罪を抑止していると主張している連中にも言えます。立証が不可能なものについて無意味な議論を交わしているという点で両者は同類です。

    なお、アンケートを取りまくったりいろんなとこからデータを集めてきてエクセルでゴネゴネやれば立証のマネゴトはできます。ただし結果は表現規制賛成派なら因果関係あり、反対派ならなしということになるでしょう。データの処理方法で結果はいくらでも操作できるのです。


    よく言われてる失業率と犯罪率の関係も眉に唾をつけて見なければなりません。
    悪い奴を雇用しておけば良い奴になるとか、失業したら良い奴も悪い奴になるとかいう謎理論をまず疑いましょう。悪い奴を雇用しておけば会社の金をくすねたりパワハラをやるわけで、会社という閉鎖空間でそれが行われたら犯罪としてカウントされる率が下がるから見かけ上の治安は良くなるわけです。
    つまり雇用対策で治安が改善されるという話は悪い奴が悪いことをすることによって生じるコストやリスクを社会全体で負担するか企業に背負わせて内部化させるかという話でしかありません。

    ・・・

    このように因果関係があると言われてるものは大半が信頼できないものであり、確実な再現と実証が得られない限り無いものと考えるべきです。
    データを都合よく作ることは驚くほど簡単にできます。生データを捏造しなくても都合のいいデータだけ集めてきたり都合のいい結果を出すようにアルゴリズムを組めばハイ、一丁あがり!笑

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