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    食人族という都市伝説

    2019.05.26 Sunday

    ブログを移転してからいろいろバグが見つかっては微調整してます。
    コメントを投稿してもなぜかブラウザに残ってしまうバグがあったので修正しました。

    コメントされる方にお願いです。
    毎回HNを変えてコメントされる方がいらっしゃいますが、荒らし、スパム、工作員と紛らわしいのでできればなるべくコメント毎にHNを統一して頂けたらと思います。
    一応IPアドレスや端末から誰が誰なのか大体把握してますが、ネットカフェやプロキシを通した場合わかりづらいのでご協力お願い申し上げます。

    なお、荒らし対策のとばっちりでネットカフェ、プロキシ、大学からコメントしようとすると弾かれる可能性が高いことは予めご了承ください。
    とばっちりで荒らし以外も弾かれうるためコメントを承認制にすることも考えましたが、クソコメをいちいち読むのも鬱陶しいのでシステム的に弾くのが最善と判断しました。

    ・・・

    さてさて、今回も荒れそうな話題です。
    皆さんはこの地球上のどこかに食人族が生息しているという都市伝説を一度は耳にしたことがあるかと思います。
    ガリバー冒険記やロビンソンクルーソーにも登場したネタです。

    まだ地球に開拓されていない場所が残っていた時代の人々は、海を隔てて遠く離れた土地に小人や巨人、食人族など自分たちとは違った種族が住んでるのではないかと思いを馳せたのでしょう。
    これは現代で凶悪なエイリアンが宇宙のどこかに生息しているという定番のSFネタにも通じるものがあります。

    では食人族は実在するのか?
    残念ながら(?)食人「族」はおそらく実在しません。
    宮崎勤のように稀に個人として食人するような異常者が出現することはありますし、飢饉の時に緊急回避的に行われることはあっても種族として安定に存在することはできないのです。
    なぜならプリオン病を発症して滅ぶからです。

    古今東西語り継がれてきた食人族伝説は、不運にも異常者に遭遇した話に尾びれがついたり、飢饉の緊急回避的な食人に不運にも遭遇してしまったことが発端であると考えられます。
    比較的最近の事件としてはパプアの宮崎勤に旅行者が喰われたケースが有名です。

    ・・・

    人間が人肉を食べたらどうなるのか。
    人肉は自分の体とほぼ同じ成分でできてるので、栄養的にはかなり優秀です。
    だからといって人肉を食べると恐ろしいことになります。

    まず寄生虫や病気が感染します。生食は一発アウトですし、火を通したとしても解体する時に感染する危険があります。

    そしてもっと恐ろしいのが狂牛病の原因にもなっている異常プリオンです。
    ところでプリオンとはタンパク質の一種で、誰でも持っていて通常は無害です。
    しかし、これと全く同じアミノ酸配列で折りたたみが異なるものがあり、これが異常プリオンと呼ばれて恐れられています。

    異常プリオンが体に入るともともとあった正常プリオンを異常プリオンに変えてしまい、異常プリオンがどんどん増殖していきます。
    飽和食塩水に塩の種結晶を入れるとそれを芯に結晶がどんどん成長していくようなイメージです。というかメカニズム的には同じです。
    やがて異常プリオンの塊が脳を破壊して人を死に至らしめるのです。

    厄介なことに異常プリオンは熱に安定で、しかも消化されずに生き残るため加熱調理してもダメです。

    では一体何をきっかけに最初の異常プリオンができたのか。
    これはよくわかってませんが、共食いが関係してると考えられています。
    狂牛病の場合、牛の肉骨粉が感染源でした。これは肉骨粉に異常プリオンが含まれていたために一気に広まったと言えますが、正常プリオンから異常プリオンへの変性も肉骨粉を消化する過程で起こったと考えられます。

    ・・・

    逆説的ではありますが、プリオンはそもそも共食いを防ぐためにあるのではないでしょうか。
    共食いは遺伝的多様性を減少させますので、個体数が制約されやすい大型動物にとって避けるべきことです。
    プリオンが共食いを防いだおかげで人類などの大型動物が生き残ってきたと考えるのは説得力があります。

    繁殖力が強く世代時間の短い昆虫や小型動物では共食いが生存戦略に組み込まれていたりしますが、この場合プリオンを最初から持ってなかったり、小型化する過程で耐性を獲得したと考えられます。

    ところで今日では大型動物においても共食いが見られるという異常事態が発生しています。
    チンパンジー、クマ、ライオンなどの野生動物が共食いしてるのを自然だと思ってはいけません。
    前述の通り共食いは飢饉などの非常事態で緊急回避的に行われる場合があります。
    つまり、これらの動物は終わりのない非常事態に直面しているわけです。

    原因が何なのか、察しのいい人はわかるでしょう。
    この非常事態は人類が文明を持つ前から始まっているため、既に遺伝子レベルで変質してます。
    遺伝子そのものが変質してるため保護区を設けて保護するというやり方は全く意味がなく、早かれ遅かれ異常プリオンで絶滅するでしょう。むしろ異常プリオンが人間社会に拡散する前に滅んだほうがマシかもしれません。
    このような状態になった動物は凶暴になりますので人を襲う確率も上がります。
    ニホンオオカミも生息域を追われて共食いせざるを得なくなり、そして狂犬病の感染源となったため絶滅に追いやられました。

    ・・・

    人間社会もある意味で共食いの様相を呈しており、人間の場合は人肉ではなく金品や資源を奪い合います。
    人肉食によるプリオン病の蔓延は起こりにくくなりましたが、そのかわりプリオンで抑止されないタイプの新しい共食いが蔓延するようになったとも言えます。
    戦争や紛争、格差による遺伝的多様性の喪失は人類の種としての存続を脅かしかねないという意味では人肉食とそう変わりません。
    形を変えた共食いにより人類が滅亡しないことを祈るばかりです。

    コメント

    Posted by: 都市伝説愛好者の会 EMAIL URL2019/05/28 06:13 PM
    なかなか、良作の記事ですね。
    ところで、『飽和食塩水に塩の種結晶を入れるとそれを芯に結晶がどんどん成長していくようなイメージです。というかメカニズム的には同じです。』とありますがここでいうメカニズムについて詳しく説明いただければと思います。
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/05/29 06:57 PM
    自己組織化ですね。
    異常プリオンのほうが熱力学的に安定なため正常プリオンが異常プリオンと接触することで折りたたみが変化して異常プリオンになります。
    この時に解放される自由エネルギーと、バラバラに存在していた正常プリオンから異常プリオンの集合体が形成される時の自由エネルギーにより活性化障壁を超えるものと思われます。
    Posted by: denfer EMAIL URL2019/05/30 12:07 PM
    正常プリオンが異常プリオンと接触することで異常プリオンになるまではいいのですがその機構は自分の力では不明という文しか見つかりませんでした。機構が熱力学的な安定化であるとする根拠となる情報ソースはどこにあるでしょうか?
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/05/30 01:12 PM
    異常プリオンから正常プリオンの変性は自発反応ですので、ギブズ自由エネルギー変化で見るとマイナスのはずです。
    ただ、正常プリオンがそこに存在するだけでは活性化障壁を越えることができないため我々の持ってるプリオンは大人しくしてるのです。
    正常プリオンの異常プリオンへの変性は異常プリオンとの接触や、共食いした時のプリオンの消化過程で起こると考えられます。

    なお、異常プリオン分子の凝集はエントロピー増大の法則に反するように見えますが、常温付近ではそれ以上にエンタルピーが減少しますので全体としてギブズ自由エネルギーはマイナスで自発反応となります。
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/05/30 01:22 PM
    補足です。
    本文中にある「熱に安定」「消化を生き残る」というのも異常プリオンクラスターの熱力学的な安定性によるものです。
    かといって正常プリオンをただ熱しただけではタンパク質としての構造が崩れるだけで異常プリオンにならず、異常プリオンへの変性反応はかなり繊細なものであろうと考えられます。ここが謎なわけです。
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/05/30 01:25 PM
    訂正:異常プリオンから正常プリオンの変性 → 正常プリオンから異常プリオンへの変性

    なお反応は不可逆的ですので一度異常プリオンになったら正常プリオンには戻りません。
    Posted by: denfer EMAIL URL2019/05/30 07:55 PM
    うーんちょっと分らないです
    1ヶ月くらいかけて修行?してきます
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/05/31 06:06 PM
    頑張ってください。
    あいにく私は英語論文を見ると蕁麻疹が出るような体質ですが、ciniiでプリオンを検索するといろいろ参考になる資料が日本語で出てくると思います。
    ciniiは私もたまに利用します。
    Posted by: denfer EMAIL URL2019/10/05 11:45 PM
    進捗
    まだわかりません
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/10/07 06:40 PM
    ご質問があればどうぞ。
    Posted by: denfer EMAIL URL2019/10/15 10:31 PM
    そうですね正常プリオンと異常プリオンの接触で異常プリオンになるとするとどうしても異常プリオンの増殖スピードがあまりにも早くなりすぎるんですよねここをどう理解したらいいのか・・・
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/10/16 07:02 AM
    異常プリオンへの変性が2段階以上の反応だと考えればどうでしょうか。
    例えば正常プリオンが特定の修飾を受けてる時のみ異常プリオンとの接触で変性すると考えれば反応の遅さをうまく説明できるように思えます。
    タンパク質の修飾は可逆的であり、修飾されてないほうに平衡が寄ってるのであればこれが律速となります。
    Posted by: denfer EMAIL URL2019/10/17 08:54 AM
    うーん
    それだと二段階の反応の一番最初が不明 例えを使うと特定の修飾の正体が不明なので逆に謎が増えてしまいます
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/10/17 10:37 PM
    異常プリオンの増殖がin vitroで確認されてるか調べてみましたが、そのような情報は見つかりませんでしたので確認はされてないようです。

    他の理由としては細胞死や免疫系による排除が考えられます。
    がん細胞は日々誕生してますが、自殺したり免疫系が排除することでがん化は抑制されています。
    同じことが異常プリオンにも当てはまりそうです。

    歴史的には何かの拍子に異常プリオンができてしまうという事故が頻繁にあったと思われますし、プリオンタンパク質を安定化して少しでも異常プリオン発生を抑制するというトレンドで進化が続いてきたでしょう。

    異常プリオンが共食いを抑制して種の存続に有利になったというのは結果論です。
    ネズミのような小型動物では共食いができなかったら栄養を再利用できず困
    Posted by: ふーちゃん EMAIL URL2019/10/17 10:38 PM
    ることがありますので、あの手この手で異常プリオンを克服しました。
    人類も小型動物から進化した以上、今でも細胞レベルでは発生を抑制したり排除するということは続いてると思われます。
    発生抑制の方法として修飾がある場合にしか変性しないという機構があることも否定できません。

    言わば種の保存と個体の保存のどちらを取るかという攻防戦です。
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