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ウイルスの生物学的存在意義は何か

2020.03.22 Sunday

日に日に暖かくなり、ようやく春らしくなってきました。
東京では既に桜が満開となってます。

私が東京に来て今月で5年になります。あっという間でした。
5年を記念して近々宗林寺へ行くことを予定しています。
コロナが流行っていて都心に行くのはちょっと怖いですが、住職さんに聞きたいことがあるので観光客の少ない今はちょうどいい機会だと思ってます。
宗林寺に行ったら写真を撮って宗林寺の歴史、宗林寺と宗林家の関係など住職さんに聞いた話を記事にしますので楽しみにしていてください。

このブログで宗林と言えばあの宗林を真っ先に思い浮かべると思いますが、もちろん目的はあの宗林のルーツを探り、あのような人間が生み出された経緯を今度は歴史的背景から切り込んで解き明かしていくことです。

前回の記事、PCR検査と偽陽性についてでは最後をこのように締めくくりました。

私は自分の敵となる存在が現れた時、それが個人だろうが組織だろうがウイルスだろうが徹底的にその実体やルーツ、存在意義を知ろうとします。
そのような態度がコロナウイルスに対しても必要なのではないかと思いました。


あの宗林は私に2年以上にわたってハラスメントを行った人物ですが、こんな嫌な人間でも何らかの存在意義をもって生まれてきたと思ってます。
これを単なる神の失敗だと片付けるにはあまりにもよく出来すぎているからです。
ウイルスもまた然り、です。

・・・

では本題に入っていきます。

ウイルスがどのようなものかという話はウイルスはなぜ宿主を攻撃するのかPCR検査と偽陽性についてで詳しく解説してますのでここでは割愛させていただきます。

そもそもウイルスの存在意義は何なのでしょうか?
それは40億年続いてきた生物の歴史を紐解くことで見えてきます。
というわけで生物の進化をおさらいしてみます。

40億年前、海の中に有機物が溶け込んだスープの中から自己複製能力を持った分子が誕生しました。
これは今日のRNAあるいはその原型となるものであろうと考えられてます。
生物の原型がRNAから始まったとする仮説をRNAワールド仮説といい、最も有力視されています。

やがてRNAからより安定なDNAに主役が交代し、RNAはタンパク質合成の橋渡し役となりました。

細胞構造が完成し、生物らしくなったのは38億年前のことです。
裸のDNAやRNAだけでは生物の定義を満たさないので、この段階をもって最初の生物が誕生したとみなすことができます。
最初の生物は今日のメタン細菌に近いものであろうと考えられており、現在でも地底から熱水が噴出する高温の環境にそのような生物が存在しています。

もともと地球の大気中に酸素はほとんどありませんでした。ところが27億年前に酸素を出す光合成細菌が出現し、酸素を作り始めました。
酸素は最初海水中の鉄を酸化して沈殿させましたが、それを消費し尽くすと大気中に酸素が溜まり始めました。
これは大変なことで、ほとんどの生物は酸素の毒性に負けて死滅しました。

ところが酸素に耐性を付けて、さらに酸素を利用する生物が現れました。好気性細菌です。
同じ頃、酸素に耐性のない原始的な生物は酸素の届かない海底にいて、基本的に両者が出会うことはありませんでした。

20億年前、何が起こったのかわかりませんが本来出会うことのない両者が出会いました。
原始的な生物が細胞内に好気性細菌を取り込み、それをうまく利用し始めたのです。
この好気性細菌は今日では細胞小器官のミトコンドリアとなっています。
つまり、ミトコンドリアはもともと細菌だったのです。

ミトコンドリアを取り込んだ生物の中から今度は光合成細菌を取り込んだ仲間が出てきました。
これは植物の先祖になり、取り込んだ光合成細菌は今日では葉緑体になってます。


(出典:「FPの家」槻岡建設 自然治癒力の源-ミトコンドリアの起源-)

ミトコンドリアや葉緑体を持った生物は単細胞から多細胞へと進化し、やがて陸に進出していくこととなります。
ここで8億年前ぐらい、アンモナイトや三葉虫が出てくるのはまだまだ先の話ですが、動植物の細胞の主要な構造はこの段階でほぼ完成したと言えます。

・・・

コロナウイルスなどのRNAウイルスはRNAだけを持っていることから一見するとRNAワールドの生き残りのように思えます。
しかし少し考えればそれはいささか無理があることがわかります。
RNAワールドには寄生対象となる宿主が存在しません。寄生できるような細胞が登場するのはDNAワールドを経た後のことです。

それよりも生物から二次的に生まれたと考えたほうが合理的です。
生物の中にもウイルスのように寄生に特化した仲間がいます。トリコモナス、マイコプラズマ、リケッチアがそうです。
これらはギリギリ生物ですが、身軽にするために生物としての機能をだいぶ捨てた結果厳密に生物の定義に当てはまるかと言うとだいぶ怪しくなってます。
言わば「ウイルスのような生物」です。

ウイルスのような生物がいるということは、生物のようなウイルスもいます。ミミウイルスがそうです。

耳に感染するウイルスではありません。
発見された当初はあまりにも大きすぎたため細菌の仲間だと思われていて、細菌を真似する(ミミック)という意味からミミウイルスと名付けられました。


(出典:RESEARCH:巨大ウイルスから見える新たな生物界の姿 緒方博之 | 季刊「生命誌」 | JT生命誌研究館)

コロナウイルスのサイズはこの図でいうと一番右のヘルペスウイルスと同じくらいですから、ミミウイルスやパンドラウイルスがいかに巨大かがわかります。

・・・

ところで、細胞小器官のミトコンドリアや葉緑体はもともと生物でしたが既に自己複製能力を失っていて生物ではありません。
むしろこれらが自己複製能力を持ってたら問題があります。いつ反乱を起こして宿主を乗っ取るかわからないからです。
そのため宿主の細胞はこれらの自己複製能力を奪い、殺生与奪権を握ることで反乱を防ぎつつうまく利用することに成功しました。
この時にミトコンドリアや葉緑体が持っていた遺伝子の多くは核、つまり宿主細胞のDNAへと移りました。

これはすごいことです。何がすごいのか? 高校レベルの生物では種をまたいで遺伝子が移ることはないというのが常識ですが、それを破ってしまってます。
しかもこのような例はミトコンドリアや葉緑体だけではありません。
多くのシロアリは木の主成分であるセルロースを自分で消化できないため共生微生物に頼ってます。ところがある種のシロアリは自分のセルラーゼを持ってるのです。
これは共生微生物からシロアリに遺伝子が移ったということです。

実はこのような種を跨いだ遺伝子の伝搬はウイルスが担っており、そもそもウイルスはこのために作られた一種のロボットだという説があります。
バクテリオファージという細菌に感染するウイルスは細菌の持ってるDNAに入り込み、完全に宿主と一体化する能力を持ってます。
もともと細菌には自分の遺伝子を切り離して他の個体に融通したり、もらった遺伝子を自分のものにする能力があります。
この延長線上にバクテリオファージがあると考えることができます。

人間のDNAにもウイルス由来と思われる遺伝子が多数組み込まれています。というか、むしろDNAの半分近くはウイルス由来と言ってもいいぐらいです。


(出典:七海亭七珍: 清水の舞台から飛び降りろ!)

トランスポゾンやレトロトランスポゾンと呼ばれる遺伝子群はそれ自体があたかも独立した生物かのように動き回ることがあります。


(出典:七海亭七珍: 清水の舞台から飛び降りろ!)

トランスポゾンは染色体上から離脱して他の場所へと移動する遺伝子で、レトロトランスポゾンは一旦RNAに転写されてから別の場所に逆転写して挿入される遺伝子です。
パソコンのファイル操作でいうところの移動かコピーの違いです。

これらはウイルスが感染した痕跡と考えられており、特にレトロトランスポゾンはレトロウイルスと関係があることがわかってます。
普段はメチル化で動きを封じられてますが、何かの拍子に動き出すことがあれば染色体上で増えるだけでなく人から人へ感染するウイルスとしての実体を現すかもしれません。
つまり健康な人でも無害なウイルスを飼ってるのです。

むしろこれらは有用で、(レトロ)トランスポゾンやウイルスが動く時に変異が起こったり遺伝子が運搬されることで進化を助けてると言えます。
実際に哺乳類の進化にはウイルス由来の遺伝子が重要な役割を果たしたことがわかってます。

哺乳類の胎盤形成にはウイルスが関与しており、その遺伝子は順次置き換わることができる

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以上のことからウイルスの生物学的存在意義は種を跨いで遺伝子を運搬し、進化を助けることではないかと考えられます。
攻撃性はウイルスの本質ではなく、インフルエンザやコロナウイルスなどの有害なウイルスは本来の役割を忘れて暴走した結果ではないでしょうか。
これは生物としての機能を奪うことで反乱を防いだミトコンドリアの逆のパターンと考えることもできます。
ミミウイルスは完全に本来の役割から離脱して開き直ったものと考えればあの大きさも説明できます。

それらを踏まえて人類はこれからウイルスとどのように付き合っていけばいいのか、また日を改めて記事にしようと思います。

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