ブログメニュー

カレンダー

コメント

記事一覧

検索

プロフィール

Feed

うつ病にはヘルペスウイルスが関係していた

2020.06.15 Monday

前々回の記事、人間の持つ有害遺伝子はウイルス由来かでは、自害行為や他害行為などの原因となる有害遺伝子はウイルスによって仕組まれたと考えれば進化的にうまく説明できると述べました。

新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した結果、免疫系が自分の細胞を攻撃してしまうのは個体の生存にとって不合理的です。
失業や健康問題などで追い詰められた結果、テレビに出ている人間をいじめて自殺に追い込むのは種族の生存にとって不合理的です。
これらの行動原理は遺伝的プログラムのバグであり、一見すると長い進化の歴史のうちに修正されてるか人類ごと淘汰されてなければおかしいように思えます。

ところが人間の遺伝子の総体であるヒトゲノムのうち実に半分近くはウイルス由来で、人は生まれつき多数のウイルスを飼っていてウイルスによって仕組まれた遺伝子が多数存在するのです。
このことはウイルスの生物学的存在意義は何かにて述べました。

その中には宿主である人間から見ると不合理的な行動を引き起こすものも多数あります。
例えば新型コロナウイルス(COVID-19)によってサイトカインストームという有害な免疫反応が起こるバグは、言わば過去に仲間のウイルスによってヒトゲノムの中に送り込まれたスパイのようなものです。
生物ですらないウイルス単体では攻撃力が弱いので、人間の遺伝子にあらかじめスパイを送り込んで合図があれば中から破壊活動を行うように周到に準備をしていたのです。
民族による死亡率の違いはスパイ遺伝子にどこまで汚染されているかということではないかと考えています。

以後、ウイルスによって仕組まれたと考えられる有害遺伝子はスパイ遺伝子と呼ぶことにします。

コロナ禍に起きた悲劇である木村花さんを死に追いやった誹謗中傷もスパイ遺伝子の仕業かもしれません。
人間が仲間同士で殺し合うと遺伝的多様性が失われてウイルスにとって有利になります。
つまりウイルスの策略にまんまと引っかかってるということに気づかなければなりません。

スパイ遺伝子は人間にとって有害無益なため自然選択で除かれていきますが、ウイルスによって次々に送り込まれてくるのでいつまで経っても無くならないのです。

・・・

前置きが長くなりましたが本題に入ります。
タイムリーなことにウイルスによって不合理的行動が引き起こされてることを裏付ける研究結果が発表されました。

うつ病の「引き金」物質を確認 疲労やストレスで増加(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
 慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)らは長年、疲労とウイルスの関係を調べ、疲労が蓄積すると唾液(だえき)中に「ヒトヘルペスウイルス(HHV)6」が急増することを突き止めていた。

 HHV6は、赤ちゃんの病気である突発性発疹の原因ウイルスで、ほぼ全ての人が乳幼児期に感染し、以降ずっと、体内に潜伏感染している。

 普段は休眠しているが、体が疲れると、HHV6は目覚め「弱った宿主から逃げだそう」と、唾液中に出てくる。その一部が口から鼻へ逆流する形で、においを感じる脳の中枢「嗅球(きゅうきゅう)」に到達し、再感染を起こしていた。

 近藤教授らは、再感染すると、嗅球で「SITH(シス)1(ワン)」というたんぱく質が作られ、この働きで脳細胞にカルシウムが過剰に流れ込み、死んでいくことを培養細胞やマウスの実験で突き止めた。さらに、嗅球の細胞死によって、記憶をつかさどる海馬での神経再生が抑制されていた。


なんとストレスによるうつ病の発症にはヘルペスウイルスの一種である「ヒトヘルペスウイルス、HHV-6」が関与していたのです。
うつ病は自殺の原因となることから自害的であり、また周りの人を困らせたり犯罪行為を誘発することから他害的でもあります。

HHV-6はほとんどの人が乳幼児期から持っていて普段は鳴りを潜めていますが、ストレスをきっかけに動き出して脳に回ります。
そうなると嗅球でSITH-1という遺伝子が発現してタンパク質が作られ、それが細胞死を引き起こしてうつの発症に繋がるのです。

おそらくSITH-1はヘルペスウイルスが仕組んだスパイ遺伝子であろうと考えられます。
HHV-6から同じ遺伝子またはよく似た遺伝子が見つかればビンゴですし、現在のHHV-6になくても近縁のウイルスから見つかればHHV-6の祖先ウイルスによって仕組まれたことを裏付ける根拠となるでしょう。

また、この発見はHHV-6の感染を防ぐことでうつ病が予防できることを示唆しています。
もしワクチンによって防ぐことができればこれは大変画期的なことと言えます。

もしや乳幼児期の感染源は親あるいは親のママ友の産後うつではないか…と疑いたくなります。
保育士の過労も感染源となり得ます。
ということはワンオペ育児や保育士の労働条件を改善すればHHV-6の世代間感染を抑制できるかもしれません。

・・・

治療法という点ではSITH-1を阻害するという新しいアプローチが見えてきます。
ただ、SITH-1を阻害してもそれはやはり対症療法の域を出ないため、うつ病の根本的な治療法としてはやはり原因となるストレス源から離れる他ないでしょう。

ストレスで弱ったところを攻撃してくるウイルスがまさかHHV-6しかないということはなく、SITH-1を阻害しても別のウイルスやスパイ遺伝子による症状が出ることは想像に難くありません。
HHV-6の感染抑止やSITH-1の阻害というアプローチを安易に高ストレス社会の正当化に繋げるようなことは絶対に避けなければなりません。

スパイ遺伝子はもともと人体に備わっているメチル化という機構によっても封印可能と考えられるため、乳幼児期の感染機会やスパイ遺伝子発現の刺激となる有害刺激を減らすというアプローチが有用ではないかと考えています。
これについては検証中でもあるので、いつか記事にするかもしれません。

ページ先頭へ